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2015年 12月 08日
破水から52時間後の11月28日8時52分、無事に長男を出産した。
『陣痛』という未知のものに対して、想像を膨らませていたものの、それは本当に想像でしかなくて実際は言葉で表せない痛みの波だった。 まさに、波。 陣痛という寄せては返す波は、ひたすら私を溺れさせてくれた。1本の丸太にしがみついた私はいくつもの巨大な陣痛の波を越えて、越えて、ひたすらその先が来るのを待つ。近くではボートの上から助産師のゆうこ先生が励ましの言葉をかけてくれる。そして、丸太から手が離れそうになったら夫が引き上げてくれる、そして波が去れば痛みは嘘のように去り、その間に浅く短い夢を見て休息を取る、再び波が姿を現せば呑み込まれぬよう、でも呑み込まれるしかなく丸太1本で立ち向かうしかない...それをずっと繰り返していた。 痛みが頂点に達しているときは、シリア難民のことを考えた。私の痛みの先には希望が待っているのに、シリア難民の方々は痛みの先に絶望を抱えている。これくらいでへこたれているわけにはいかない!!!と随分励まされた。 満月の満潮で破水して、その翌日の満潮で子宮口開大、そこからまさかの引き潮で陣痛が止み、弱くてでもやっぱり痛い陣痛が続き、二夜目を迎え、もうこれ以上息めないとほぼ力尽きる。 翌朝、破水から48時間というリミットを越え、医療の手を借りなければいけないことに。陣痛に勢いはなく、息めば息む程、体力を消耗していくだけだった。 「やれることは全てやった、もう心残りは無いから促進剤打ってもらいに行きます...」 そう言ってぼろぼろになった体を起こして身支度を整えようとしたとき、もの凄い巨大な陣痛の波が来たのだ。しかも1分と待たずに次々と。力は残ってなかったが、お腹の赤ちゃんはクリニックじゃなくて、この助産院で産まれたいんだと思い、残りかすの力を振り絞る。毛穴という毛穴から全てのものが吹き出し、痛みを越えて気が遠くなりながら... まだ思い出そうとすると最後の所は特に、フラッシュバックで痛みが襲ってきそうなのでこれ以上は控えよう。 でも今はとても幸せです。 2500gぴったりで産まれてきてくれた、まだ羊水に包まれたままの長男。 この不安な時代に地球にやって来てくれて、ありがとう。 そして、この私を母親に選んでくれて、ほんとうにありがとう。
by tamura_ikkyuu
| 2015-12-08 23:05
| 館山、南房総
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