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2014年 05月 11日
アルビルからランクルで2時間半。
ドホーク州にあるアークレー難民キャンプ。もともと軍用施設だったところをキャンプとして活用している珍しいキャンプ。他のキャンプと比べて街の中心に位置しているため、アクセスがいい。そして何より他と違うのはテントでなく建物なので、寒さも暑さも、雨も風も凌げること。それでも建物は古びており、階段など朽ちた所も多く、生活用水の匂いが鼻を突く。 入口を抜けると中央の広場を2階建ての建物がぐるりと取り囲んでいる。他のキャンプは入口にライフルを構えたセキュリティーが厳重にチェックしているが、そういうのもなく出入りも比較的自由そうだった。 2階の廊下から見える山景。サイドに延びる尾根が美しい。 写真では伝えきれないから載せたくなかったけど、アークレーまでの車窓から見える景色は息を呑むほど美しい。 切り立った岩が幾つも並んでそびえ立つその先鋒に、少〜しだけ緑の生い茂る天空のような段々畑があって、そこで羊の群れが草を食べてる様とか目を擦って疑いたくなるような景色だった。言葉が足りないのが悔しいけど、後は想像にお任せしたい。これが難民キャンプじゃなかったら...何度も思った。 ゲームに興じる子供たちとそれを見守る大人。 この日は平日だったけど、することがなく時間を持て余している大人が本当に多い。それはどのキャンプにも言えること。各キャンプ内には一応ジョブセンターなるものがあるんだけど形だけのもので、みんな自分で日雇い労働を探していることが多い。平均日給は2,000円程。しかも毎日は得られず、だいたい月に15日程度だとあるシリア難民は話してくれた。月収入30,000円。 閉鎖的空間のキャンプ生活の影響でストレスが溜まり、家庭内暴力が増えているとのこと。シリアの状況が悪くなればなるほど、夫が妻に、両親が子供に、負の連鎖が続いていく。 この子たちの底抜けに明るい笑顔だけは傷ついて欲しくない。 帰り際、最後まで手を振ってくれたアークレーキャンプの子供たち。
by tamura_ikkyuu
| 2014-05-11 23:50
| イラク(アルビル)
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