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2013年 04月 07日
敷居の無いワンフロア、もともとオフィス用の一室だったのか、だだっ広い室内。 昼間は光はよく入るが、夜は寒そうだ。 夫(上の写真33歳)、妻(31歳)、長男(上の写真)、次男の4人家族。ホムス出身で2012/7頃に非合法でヨルダンに入国。その後、UNHCRにて難民登録を行う。妻はアーキラー病院(シリア難民は無償で医療を受けられる病院)にて帝王切開で次男を出産。母子ともに経過良好とのこと。 シリアではレストランを経営したり、幾つかのビジネスを手がけていた夫。それなりに裕福だったのだろう、33歳にして妻が2人。訪問したお宅は第二夫人と暮らす家だった。第一夫人の家族はアンマンの別の家に暮らしているのだという。 しかし夫はヨルダンへ避難後、二つの家族を養うために肉屋で一日17時間働き詰めの生活を送っていたら、突然目が見えなくなってしまった。それからは働くこともできず、内服薬での治療を続けている。カルテのコピーを見せてもらうと、どうやら眼底出血のようだった。過労とストレスからだろうか。肉屋でもきっと裏方の重労働だろうから、目に負担のくる仕事はできないのだろう。 現在はUNHCRから支給される食料クーポンと貯金を切り崩して生活している。 夫の身分証明書を見せてもらった時、書類の顔写真と今が全然違うのに気付く。今はあご髭をたっぷり蓄えている。私は、あご髭のボリュームと女性に対する振舞い方は信仰心に比例すると(勝手に)思っているので、お会いしたとき敬虔なイスラム教徒なんだな...と思っていた。 でも、証明写真の彼は、しゃれ乙ちょび髭でヘアスタイルも短くきまっており、今どきの若者だった。同じ人とは思えない。 「最近、今までイスラム教に関心の薄かったシリア人の若者で、イスラム教に傾倒する人が増えた。この救いようのない状態が彼らをそうさせているんだと思う。」 通訳をしてくれたシリア人の知人がそう言った。 信仰心の深い若者が増えるというということは悪いことではないと思う。でもそれが、敵への憎しみとなってテロリストになり命を落とすことや、血で血を洗う無駄な戦いに加担してしまう若者が増えていくというのは危険だと思った。 生後17日目の次男。 「この家はもう出なければいけない」 そう話す夫の後ろで、妻が荷造りをしている。もともと長期で借りれる部屋ではなかったようだ。次の家は決まってない。もし見つからなかったら誰かの家に身を寄せることになると。 今くらい、もう1人の奥さんの所に一緒に住めばいいのに... 誰もがそう思うだろう。私たちもそう言った。 「2人の奥さんを一緒に住ませることだけは出来ないんだ」 無理に笑った夫の顔には疲れが滲んでいた。 きっとそういう約束で、彼は第二夫人を迎えたのだろう。だからできる限りまでは約束を守りたいと。 シリアがこんなことにさえならなければ、彼らは幸せに暮らしていただろうに。
by tamura_ikkyuu
| 2013-04-07 13:55
| ヨルダン
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