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2011年 11月 05日
最近、短期で保健の先生をしている。
本物の保健の先生が林間学校や修学旅行などの引率に行っている間、私が代わりにお留守番をしている。 ほんとうに短期なので、駅から学校までの道のりを地図無しで行ける様になったら(私はとても方向音痴)、また別の小学校の保健の先生の代わりをする。 余計なことはせず最低限だけきっちりやって、パズルの1ピース分を担っているフリをしている。なのでなりすますという方が正しいかもしれない。 職員室で出会う先生たちには、 「毎回違う所に行かれて大変ですね」 とよく言われる。でも、私はそれを好んで選んでいる。 馴染まなくていいので、それはそれなりに楽だと思う。 それに保健室は居心地がいい。自分だけの空間を持てる。 職員室はざわざわしていて落ち着かないし、教室はもちろん生徒が主体の構造だ。 でも、保健室は保健の先生のものだ。 保健室は思いのほか広くて、どの保健室も校庭に近い所に面しているので、窓からは光がたっぷり入って来る。朝8時に出勤してカーテンを開け、コーヒーメーカー(湯沸かし器のときもある)のスウィッチを入れ、机の上に保健日誌を広げる。子供たちがバタバタと登校してくる音を窓ガラスを通して聞きながら、日付と天気と気温を日誌に書く。 どこの学校も2時間目までほとんど誰も保健室には来ない。朝から調子の悪い子は、たいてい学校を休むから。なのでその時間は机の上や処置台を水拭きしたり、絆創膏などを補充したりしてのんびり過ごす。保健室に貼ってある掲示物(毒々しさが一切なく、ただわかりやすい言葉でつづられた健康に関する掲示物)を眺めたりもする。 この規則的なのに自由な感じがたまらない。 あと、保健の先生の個性が発揮された保健室を調査(?)するのも楽しい。 卓上カレンダーやポスターが印象派で揃えられている保健室、キャラクターの付いた文房具や膝掛けなどが机のまわりに目立つ保健室、機能的さを重視して逆に雑然としてしまった保健室。 どの保健室も共通しているのは、子供がドアを開けたら先生と視線が合う位置に机が設置されている。 2時間目が終わる頃、ちょっと無理して登校した子や、授業に萎えた子たちがちらほらやってき始める。その子たちの気が更に萎えないように気遣いながらお話をしていると、20分休みで遊び回って怪我をした子たちがどっと押し寄せてくるのだ。 それからは5時間目が始まるくらいまではどの保健室も動物園みたいになる。
by tamura_ikkyuu
| 2011-11-05 16:58
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