じいちゃんとばあちゃんがおんなじ色の洋服を着ていてギョっとする。
意識したペアルックじゃない。
『歳をとると男と女は近くなる』とはこういうことか...と思って勝手に1人で寂しくなる。
シリアから帰ってきて、じいちゃんは私の名前を忘れてしまっていた。
昔よりニコニコ話しかけてくれるけど、私が誰だかわからない。
コツコツやってた水墨画も書き方を忘れてしまったようだ。筆を器用に滑らせてた頃の絵を一枚もらってまた寂しくなる。
ばあちゃんは昔より少し、頑固になった。そして、昔ほど「結婚せぇせぇ」と言わなくなった。